相続登記の司法書士報酬は本当に20万円もするのか?

1 お客様の勘違いの可能性

司法書士はお客様から「報酬が多いのではない?」かとよく勘違いをされます。。

以下の見積書の請求金額を見ると20万円を超えております。

司法書士が切る見積書具体例
見積書

「なんだよ、20万円も取られるのかよ!!」

「いや、違います(汗)報酬は、5万円です。」

見積書、請求書、領収書をお客様に提示して、よく勘違いされるのは、見積書等の合計金額(請求金額)を全て司法書士の報酬と勘違いされてしまうことです。

「実費分なんてそんなかからないだろう。」と思っているとそうでない場合もあります。登録免許税が15万円という事例は、固定資産税評価額が3,750万円であった場合の金額です。

固定資産税評価額が3,750万円は、結構な金額なので、よくある数字ではないですが、可能性としては当然あり得る数字です。

ということは、皆様がご自身で申請をする場合、対象不動産の固定資産税評価額が3,750万円であった場合は、登録免許税15万円は負担をしなければならないということを意味します(ちなみに、固定資産税評価額が1,000万円の場合は、登録免許税は4万円です。これはよくある数字かもしれません。)

見積書の右側の「登録免許税等」の欄は基本的に実費を記載します。この右側に記載する中で最も金額が大きくなるのが大抵「登録免許税」です

要するに、登録免許税は登記申請の際に納めなければいけない実費なので、司法書士の懐に入るものではないということです

2 相続登記の司法書士報酬の相場から考えた20万円の妥当性~相続登記の司法書士の報酬の相場って一体いくらなの?

「いや、いや、見積書の報酬額にちゃんと20万円って書いてたよ」という反論をお客様から受けるかもしれません。

司法書士の報酬は現在、自由化されており、どの司法書士に依頼しても同じ金額になっている訳ではありません。

そうすると、相場を知りたくなるものです。「ある程度調べれば相続登記の申請はできそうだけど、今ちょっと時間がないから、司法書士に依頼をしたいなぁ。でも、いくらかかるんだろ」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

答えは、2018年(平成30年)1月に日本司法書士会連合会が実施した「報酬アンケート結果一覧」にあります。

こちらのアンケート中、「第1 所有権移転相続登記ー4」の欄をご覧になって頂くと、傾向としては、北海道・東北の司法書士は安く、近畿・四国・中部・関東は高いことがわかります(なお、本アンケートに回答していない司法書士も沢山おりますので、このアンケートが絶対的なものであるとは言い切れないことを予め申し上げておきます。)

本題に入りますが、平均的な金額としては、6万円、7万円代(6万円前後~8万円弱)が多いということがわかります。実際に実務に就いている私の感覚からしても共感できるような金額です(もっとも報酬は司法書士の自由なので、上記金額より高い報酬を取る司法書士も当然存在はしております)。

ただし、6万円、7万円台を相続登記の司法書士報酬のベースにしている司法書士でも、不動産の個数が沢山あるとか、対象不動産が点在しており、複数の法務局の管轄に存在しているとか、相続登記の申請人が異常に多いとか、相続人の中に認知症等、意思能力のない方が存在しているとか、相続人が海外に在住しているとか、お亡くなりになった人も相続人も外国人で相続人が海外に在住しているとか、このように何か特殊な事情が存在する場合には、6万円~7万円で済まず、プラスアルファの金額が加算されてしまう可能性があります

以上のことを踏まえると、本当に司法書士が相続登記の報酬だけで20万とか30万を取っているとしたら、依頼者の方の相続財産がとてつもなく多いか、上記のように何らかの特殊事情が介在していなければ、正直申し上げて私個人の感覚からすれば「?」と言わざるを得ません。

もっとも、何度も申し上げますが、報酬の設定は各自の自由なので、私がその司法書士に「報酬はこうあるべき」と押し付けることはできないことは論を待ちません。

もし、相続登記を司法書士に依頼される場合には、上記の情報を踏まえて、ご判断いただければ幸いです。

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