相続登記の必要書類・添付書類まとめ

相続登記(相続による名義変更)で必要な書類

相続登記申請において必要な書類は以下のとおりとなります。なお、下記5以外は登記原因証明情報(登記の原因となる事実又は法律行為の存在を証する情報)となります。

◎=必要的添付書類 〇=不要な場合もありの書類

相続登記申請時の添付書類

添付の要否添付書類説明・備考
お亡くなりになられた方の出生から死亡に至るまでの戸籍・除籍・改製原戸籍又は法定相続情報一覧図の写し(原本)
お亡くなりになられた方の本籍入りの住民票の除票又は戸籍の除附票
相続人の現在戸籍
相続関係説明図書面申請で法定相続情報一覧図の写しを添付した場合は不要(例外あり)
相続人の住民票(マイナンバーは絶対に入れないでください。)
遺産分割協議書法定相続人が複数の場合で、そのうちの特定の方が対象不動産を相続される場合のみ必要
相続人全員の印鑑証明書法定相続人が複数の場合で、そのうちの特定の方が対象不動産を相続される場合のみ

例)お父様が不動産(土地・建物)の名義人で、お父様がお亡くなりになられ、相続人がお母様・お子様2人であり、お母様のみに不動産の名義を変更する場合

ご子息、ご息女が自分で相続登記を申請する場合、ご自身にも法定相続権はあるけれど、お母様に名義を変更する場合がこれにあたります。

1 お亡くなりになられた方の出生から死亡に至るまでの戸籍・除籍・改製原戸籍(登記原因証明情報)

お亡くなりになられた方はお父様のため、お父様の出生から死亡に至るまでの戸籍等が必要となります。

(1)戸籍の収集方法

戸籍は該当の戸籍を取得できる役場が近くにあれば、直接出向いて頂き取得。遠方であれば郵送にて取得することになります。

➀ まずは、最後の本籍地でお父様の死亡の記載のある戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を取得して頂きます。

↑ お亡くなりになられた方の戸籍を見ると、死亡の記載と「除籍」が確認できます。このように戸籍を取得するコツは、時系列的に最新の事実から過去に遡ることです。

戸籍交付申請書の記載方法は、役所に行ったら係員に「相続登記で必要となるので、父又は旦那(お亡くなりになられた方)の出生から死亡に至るまでの全ての戸籍を取得したいのですがどのように記載すればよろしいでしょうか?」と聴いて頂くのが一番手っ取り早いと思います。

大抵、本籍地は、生まれてからお亡くなりになるまで、同じ役所の管轄区域内にあることは極めて稀で、ほとんどの方が本籍地を転々としており、管轄が異なる別の場所から移ってきた場合がほとんどですので、最後の本籍地を管轄する市区町村役場のみで事足りるわけではないと考えられたほうがよろしいと思います。

よって、最初に足を運んだ役所の職員から、「こちらの役所で取得できるのは、結婚されて以降の分しか出てきません。その前の分については、別の役所で取得して下さい。」と言われる可能性が高いと思って下さい。

➁ 転籍前の戸籍を郵送方法で取得

ご主人様(お父様)が最後にお亡くなりになられた地が東京で、結婚する前は、地方に住んでいらっしゃったような方によくある話ですが、東京からかなり遠方の地域に戸籍が存在していたような場合が考えられます。

この場合に戸籍を取得するためだけに、わざわざ足を運ぶのは費用としてもったいない限りなので、多少時間はかかりますが(1週間から10日間程度)除籍謄本、改製原戸籍等を郵送にて取得をされたほうがよろしいかと思います。

➂ 戸籍がつながらないとき

登記申請実務上、原則としてお亡くなりになられた方の出生から死亡に至るまでの戸籍を間断なく添付して申請をしなければならないことになっておりますが、戦災等の滅失によりそれよりの前の戸籍(除籍謄本、改製原戸籍)が役所に保存されていない場合があります。

このような場合、下記のような告知書等「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書)が提供されれば、相続登記の申請をすることができます(平成28年3月11日民二第219号)。

この先例は比較的新しい先例でして、相続登記申請を日夜行っている司法書士にとっては画期的な先例でした(⌒∇⌒) この先例が出る前は、遺産分割協議書に「他に相続人はいない」旨の記載をするか、別途「他に相続人はいない」旨の相続人全員の証明書に印鑑証明書を付けて申請をしなければいけなかったのです(かなり面倒でした)。

要するに先例が相続登記申請しやすいように変更されたということです。

なお、火災により、除籍謄本が提供できない場合に、相続人の1人の作成による「一切の責任をもつ」旨の書面をもって相続人全員による他に相続人はいない旨の証明書に代えることはできません(昭和58年3月2日民三1311号)。

上記先例は出されてから3年以上経過した現在ですら、未だに日本人の相続の案件につき、上記のような事案において「他に相続人はいない旨の証明書の作成の依頼を受けます」等の内容が記載された司法書士事務所のサイトが存在します(おそらく、当該部分につき、内容を更新していないものと思われます。この部分に限りませんが、法律が改正された部分を変更していなかったり先例が変更されたものを考慮せずに昔の内容のままで放置している事務所サイトは誠に遺憾ながら散見されます)ので、混乱しないように注意しましょう)( ´∀` )。

2 お亡くなりになられた方の本籍入りの住民票の除票(登記原因証明情報)又は戸籍の除附票

旦那様(お父様)の登記簿上の住所と本籍地が異なる場合に、同一人であることを立証するために、必要となる書面です。そうすると、登記簿上の住所と本籍地が同じ場合には不要ということになります。

歴史的な経緯をお話しすると、昭和27年6月30日以前は、住所をもって本籍をすることがほとんどでした。しかし、昭和27年7月1日に住民登録法が施行され、戸籍の附票により関連づけられる他、戸籍の本籍と住所との関係は完全に分離された次第です。

なお、司法書士に依頼すると、一律に「住民票の除票(戸籍の除附票)は必要となるので、提出願います」と言われてしまう場合が多いです。

下記は、戸籍の除附票(じょふひょう)です。

3 相続人の現在戸籍(登記原因証明情報)

戸籍全般について言えますが、被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要です。提出書類としては、相続人の戸籍抄本で足りるのですが

、司法書士に依頼すると、「相続人の戸籍謄本を提出願います。」と言われてしまう場合が多いです。万が一、相続人の方がお亡くなりになられている場合、代襲相続人が相続人となるのですが、同一戸籍内に存在する代襲相続人の情報を知ることができる場合があることからです。

また、相続人の戸籍謄本につき、法令上、期間制限はないのですが、司法書士に依頼すると、「3か月以内の戸籍謄本を提出願います。」と言われてしまう場合があります。あまりにも取得年月日が古いと相続人の方がご存命かどうかを判断することができなくなることからでしょう(対面又は電話等で本人確認するでしょうが、念のためということでしょう。)。

4 相続関係説明図

登記記録上の被相続人の住所と最後の住所が異なる場合、相続関係説明図には併記すべきである(『登記研究507号・198頁 テイハン』とされております。

また、最後の住所が不明である場合には、本籍地を記載する(『登記研究439号・129頁 テイハン』)とされております。

よって、相続関係説明図には、➀被相続人の登記記録上の住所、➁被相続人の最後の住所、➂被相続人の最後の本籍は記載をしておいたほうが無難かもしれません。

5 相続人の住民票(住所証明書)

法定相続情報一覧図の写し(原本)に相続人の住所が記載されているときは、その相続人の住所証明書の添付は不要となります(平成30.3.29民二第166号)。相続人の相続手続の手続き的な負担軽減がこちらの趣旨です。

不動産の名義人となる方(法定相続による持分取得者を含む)のみ必要となります。マイナンバーの入っていないものです。本籍は入っていなくてもよいですが、入っていると、万が一戸籍が不足している場合に戸籍収集のとっかかりとなりますので、入れておいたほうが無難かもしれません

遺産分割協議により、不動産を取得しない方の分(住民票)は不要です。但し、後述の印鑑証明書は必要です。

5 遺産分割協議書(登記原因証明情報)

(1)総論

遺産分割協議書は必ずしも必要となる書類ではありません。しかし、例えば、法定相続人が数人存在し、その中で1人の方が単独で相続をするような事案の場合には、遺産分割協議をするのが一般的です。

(2)記載内容の注意点

➀ 登記申請用に用いる遺産分割協議書は、不動産登記とは関係のない預貯金や現金、有価証券等の記載は不要です。

盛り込まれていてもよいですが、登記をした後、利害関係人が法務局に提出した遺産分割協議書を閲覧できてしまいます。そうすると、個人情報保護の観点からも不必要な情報をあえて載せる必要は無いのではないかということになります。

➁ 遺産分割協議書の末尾に「本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産については、相続人〇〇がこれを取得する」旨の記載が散見されますが、かかる記載はメリットもありますが、それを上回るデメリットの存在可能性があるのであまり推奨できません。

6 相続人全員の印鑑証明書(登記原因証明情報)

遺産分割協議書を作成する場合、相続人全員の印鑑証明書が必要となります(『不動産登記の申請手続実践問答201頁 日本法令参照』)。Cf.(注1)

なお、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書については、新しいものが必要となってくるのでしょうか?

こちらについては、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書の有効期間の定めはないので(『〔8訂版〕事項別 不動産登記のQ&A210選126頁 日本法令』)、作成から3か月を経過していても、必ずしも取り直す必要はありません。

また、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書は、その作成の日がお亡くなりになった方(被相続人)の死亡の日以前に作成されたものでも差し支えない(『登記研究551号・171頁 テイハン』)とされておりますので、被相続人が死亡する前に偶然、印鑑証明書を余分に取得していた場合には、その印鑑証明書を用いることができることになります。

上記のように、古い印鑑証明書でも良いということは、印鑑証明書を取得した後、住所変更をすることもあるかと思います。

その場合、印鑑証明書上の住所と現在の住所が異なることになります。遺産分割協議書上に記載する住所は、現在の住所、印鑑証明書上の住所は古い住所で齟齬(そご)が生じます。

このような場合、どうするかというと、印鑑証明書の住所と接続する住所の変更を証する情報(住民票の写し等)を併せて提供しなければならないことになります(『登記研究557号・169頁 テイハン参照』)。

(注1)公正証書による遺産分割協議書の場合

公正証書によって遺産分割協議書を作成した場合には、相続登記申請時、印鑑証明書を提供する必要がありません(『登記研究146号・42頁 テイハン参照』)

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