法定相続人のパターンと必要な戸籍

旦那様がお亡くなりになり、奥様とお子様2人が相続人となっている場合

1 法定相続分
奥様 4分の2 お子様2人 4分の1ずつ

配偶者=である奥様の法定相続分は2分の1、お子様の法定相続分は2分の1です。そして、本件では、お子様が2人いらっしゃるので、2分の1を2等分するとお子様の相続分は4分の1ずつとなります(2分の1÷2=4分の1)。

そして、奥様の相続分の分母をお子様と同じく4に合わせると、奥様は4分の2(分子も×2をするので)、お子様2人は4分の1ずつとなります

2 必要な戸籍

必要書類

旦那様の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本
旦那様がお亡くなりになった日以降の奥様の戸籍謄本(①と重複している場合は不要)
旦那様がお亡くなりになった日以降のお子様2人の戸籍謄本(①と重複している場合は不要)

「登記識別情報の通知を希望しません」にチェックを入れるとどうなる!?

登記識別情報通知を希望しませんにチェックを入れるとどうなる?

「登記識別情報不通知」にした場合、何か不都合があるの?

1 そもそも登記識別情報とは

登記識別情報とは、12桁の英数字が羅列されたもので、イメージとしては銀行の暗証番号みたいなものです。

平成16年不動産登記法改正前までは、登記済証(「権利証」と言ったほうがわかりやすいかもしれません)と言われるものが登記義務者(その登記をすることで不利益を受ける人。例えば、売買であれば売主のこと)の登記申請意思の確認のために、この登記済証(権利証)が使用されておりました(なお、この改正前に不動産を取得し、その後、不動産の権利を移転していない場合は現在でも権利証をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。)。

しかし、上記改正により、この改正後に不動産を取得した場合は、登記済証(権利証)は発行されず、それに代わって登記識別情報が通知又は発行されるようになりました。なお、紙で発行してもらった場合は、紙切れ1枚(外観上は、A4より小さい紙に12桁の英数字が目隠しで見えないようになっております。)。

2 登記識別情報は通知するかしないかを選べます

法務省のホームページにも載っている「登記識別情報通知の通知を希望しません」にチェックを入れた場合は、登記識別情報は通知されません(発行されません)。一方、本サイトに載っている申請書のとおり、「送付の方法により登記識別情報の交付を希望する」といった振り合いで登記識別情報の通知を希望すれば、登記識別情報は通知(発行)されます。

3 「登記識別情報の通知を希望しません」にチェックを入れてしまった場合の問題点

法務省のホームページにも載っている「登記識別情報通知の通知を希望しません」に誤ってチェックを入れてしまった場合、何が問題となるのでしょう。

答えとしては、相続した物件を転売するような場合や、相続した物件を担保にしてお金を借りるような場合は、不都合が生じます。

それは、転売の場合(売買による所有権移転登記申請等)や、不動産を担保にしてお金を借りる場合(抵当権設定、根抵当権設定等)、添付書類として「登記識別情報」が必要となります。

しかし、「登記識別情報の通知を希望しません」にチェックを入れてしまうと、登記識別情報は発行されません。それではどうするのかというと、本来必要となる書類がないので、代替的な方法が必要となってきます。

それが、司法書士又は弁護士(資格者代理人)による本人確認情報の提供です。

司法書士や弁護士が登記識別情報通知書を持っていない方と面談をし、運転免許証等で本人確認を行い、どうして登記識別情報通知書をお持ちでないのか事実関係の聴き取りを行い、「本人確認情報」という書類を作成し、これを登記識別情報の代わりとして添付書類として提出します。

この書類は残念ながら無料ではありません。結構費用がかかります。書類作成報酬として相場的には5万~10万ぐらいはかかると思っていただいたほうがよろしいかもしれません(報酬の自由化により事務所によって費用は異なります)。

このように、登記識別情報を不通知にしてしまうと司法書士等に余計な報酬を支払わなければいけないことになります。

なお、本人確認情報の作成以外の代替手段として、「事前通知」という制度もありますが、仲介、銀行融資がからむ場合には、実務上利用はされておりません。

4 登記識別情報不通知のメリットも一応はあります

登記識別情報不通知のメリットも存在します。それは、登記識別情報通知書の管理をしなくて良いことになることです。登記識別情報は、その名の通り情報です。物理的な「登記識別情報通知書」を盗まれないようにするだけでは足りません。それに加え、そこに記載された12桁の英数字の符号を盗み見られないように(メモされないように写真に取られないように)することも必要となります。

裏を返せば、登記識別情報の通知を希望するを選択された場合のデメリットとも言えます。

5 登記識別情報不通知を選択される方はどんな人?

管理が面倒でかつ、自らがお亡くなりになるまで転売もしないかつその不動産を担保にしてお金を借りたりしないというような方は、「登記識別情報を通知しない」という選択肢も無きにしもあらずではないかということになります。

相続登記申請義務化にむけて

相続登記申請義務化の法案成立(施行時期はまだまだ先だと思いますが)が目前に迫っております。

相続登記申請の義務化の法案が成立したら、不動産登記申請を業とすることができる司法書士への依頼が増えることもあるかもしれませんが、それと並行してますます本人申請の需要が増えることも間違いないでしょう。

本サイトは、あくまでも本人申請にこだわっておりますので、今後(どのような司法書士に依頼すべきか等の情報を参考情報として載せることがあるかもしませんが)も余計なお金がかかるやり方(例えば、今後の動きとして考えられるとしたら、司法書士でも弁護士でもないシステム利用料等を徴収する業者への依頼)は推奨することはありません。今後もそのスタンスは変わることはないでしょう。

書類作成に割くことができる時間をお持ちで、一定程度の知識がある方であれば、高いリスクが考えられる本人申請すべき事案等でない限り、自らの力で相続による所有権移転登記申請をすることが可能であると信じております。

今後もより一層、相続登記申請に関する情報の強化に努める所存でございます。

相続関係説明図と法定相続情報一覧図の写しの比較表

相続関係説明図と法定相続情報一覧図の比較

 相続関係説明図法定相続情報一覧図の写し
相続人の住所の記載をして住所証明情報(住民票等)に代えられるか
被相続人の最後の住所が記載され、これが登記記録上の住所と同一であった場合の被相続人の同一性の確認の可否
相続放棄等で相続開始時に相続人でない者の記載の可否
作成人の署名又は記名押印の必要性
数次相続が生じている場合に1つにまとめて記載してよいか
相続放棄、相続欠格、廃除の記載の可否
被相続人の登記記録上の住所の併記の可否
何字削除何字加入等、いわゆる見え消しの方法による訂正の可否
原本還付の可否

相続登記の司法書士報酬平均

相続登記の司法書士報酬の平均はどのくらい

現在、司法書士の報酬に基準というものがありません。司法書士報酬の具体的な額については、司法書士と依頼者との間で契約するということになっております。

実務上は、依頼者側か司法書士が相続登記の対象不動産の固定資産税評価額証明書(又は固定資産税評価額通知書)を取得した後、司法書士が「うちの相続登記にかかる報酬はこれぐらいです」と見積書を提示し、それに依頼者が納得すれば契約は成立ということになっているのではないでしょうか。

もっとも、依頼者としては、司法書士から提示された見積りが果たして妥当な金額なのかどうか、司法書士実務に精通している又は普段から司法書士とお付き合いされている方以外は判定するのは難しいものと思われます。

そこで、司法書士会連合会は、数年に一度の割合で、相当数の司法書士会員から司法書士報酬全般(相続登記に限られません)に関し、無記名でアンケートを行い、依頼者の司法書士選びの参考に資しております。

今回は、平成30年1月実施されました。全国の司法書士会員から抽出した4,484名の司法書士に無記名による郵送解答を依頼し、うち、1,098名の司法書士が有効回答したアンケートの結果が以下のとおりとなっております。下記の金額が絶対のものではありませんが、司法書士選びの参考になることは間違いないので、相続登記を司法書士に依頼される場合には活用して頂ければと思います。

相続を原因とする所有権移転登記の司法書士報酬平均

低額者10%の平均全体の平均値高額者10%の平均
北海道地区28,320円60,983円97,843円
東北地区35,457円60,667円99,733円
関東地区39,212円65,800円103,350円
中部地区37,949円63,470円116,580円
近畿地区45,842円78,326円118,734円
中国地区37,037円65,670円111,096円
四国地区40,683円65,578円99,947円
九州地区38,021円62,281円96,892円

アンケート表の地区区分

北海道地区北海道
東北地区宮城県 福島県 山形県 岩手県 秋田県 青森県
関東地区東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨木県 栃木県 群馬県 静岡県 山梨県 長野県 新潟県
中部地区愛知県 三重県 岐阜県 福井県 石川県 富山県
近畿地区大阪府 京都府 兵庫県 奈良県 滋賀県 和歌山県
中国地区広島県 山口県 岡山県 鳥取県 島根県
四国地区香川県 徳島県 高知県 愛媛県
九州地区福岡県 佐賀県 長崎県 大分県 熊本県 鹿児島県 宮崎県 沖縄県

上記の報酬に関する注意点

相続を原因とする所有権移転登記の報酬は、相続人の数や不動産の個数等により左右されます。相続人の数が増えたり、不動産の個数が増加した場合には上記の報酬から加算される可能性が高いと思ったほうが良いかもしれません。

なお、報酬のほかに、登録免許税や戸籍謄本等の実費は別途かかります(自分で相続登記を申請する場合でもかかる費用)ので、合計金額を間違えないように注意しましょう。

上記の表は、以下の表、日本司法書士会連合会HP「司法書士の報酬・【司法書士の報酬と報酬アンケートについての詳しい説明はこちら(PDF)】」を引用

http://www.shiho-shoshi.or.jp/consulting/remuneration.html
(アクセス:2018年10月19日)
http://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2014/02/ea979f4293415de083eae4a9de3ce36f1.pdf
(アクセス:2018年10月19日)

http://www.shiho-shoshi.or.jp/cms/wp-content/uploads/2014/02/7b6902377d481ddc7fe33ced428ce7cd.pdf
(アクセス:2018年10月19日)

相続登記の司法書士報酬は本当に20万円もするのか?

1 お客様の勘違いの可能性

司法書士はお客様から「報酬が多いのではない?」かとよく勘違いをされます。。

以下の見積書の請求金額を見ると20万円を超えております。

司法書士が切る見積書具体例
見積書

「なんだよ、20万円も取られるのかよ!!」

「いや、違います(汗)報酬は、5万円です。」

見積書、請求書、領収書をお客様に提示して、よく勘違いされるのは、見積書等の合計金額(請求金額)を全て司法書士の報酬と勘違いされてしまうことです。

「実費分なんてそんなかからないだろう。」と思っているとそうでない場合もあります。登録免許税が15万円という事例は、固定資産税評価額が3,750万円であった場合の金額です。

固定資産税評価額が3,750万円は、結構な金額なので、よくある数字ではないですが、可能性としては当然あり得る数字です。

ということは、皆様がご自身で申請をする場合、対象不動産の固定資産税評価額が3,750万円であった場合は、登録免許税15万円は負担をしなければならないということを意味します(ちなみに、固定資産税評価額が1,000万円の場合は、登録免許税は4万円です。これはよくある数字かもしれません。)

見積書の右側の「登録免許税等」の欄は基本的に実費を記載します。この右側に記載する中で最も金額が大きくなるのが大抵「登録免許税」です

要するに、登録免許税は登記申請の際に納めなければいけない実費なので、司法書士の懐に入るものではないということです

2 相続登記の司法書士報酬の相場から考えた20万円の妥当性~相続登記の司法書士の報酬の相場って一体いくらなの?

「いや、いや、見積書の報酬額にちゃんと20万円って書いてたよ」という反論をお客様から受けるかもしれません。

司法書士の報酬は現在、自由化されており、どの司法書士に依頼しても同じ金額になっている訳ではありません。

そうすると、相場を知りたくなるものです。「ある程度調べれば相続登記の申請はできそうだけど、今ちょっと時間がないから、司法書士に依頼をしたいなぁ。でも、いくらかかるんだろ」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

答えは、2018年(平成30年)1月に日本司法書士会連合会が実施した「報酬アンケート結果一覧」にあります。

こちらのアンケート中、「第1 所有権移転相続登記ー4」の欄をご覧になって頂くと、傾向としては、北海道・東北の司法書士は安く、近畿・四国・中部・関東は高いことがわかります(なお、本アンケートに回答していない司法書士も沢山おりますので、このアンケートが絶対的なものであるとは言い切れないことを予め申し上げておきます。)

本題に入りますが、平均的な金額としては、6万円、7万円代(6万円前後~8万円弱)が多いということがわかります。実際に実務に就いている私の感覚からしても共感できるような金額です(もっとも報酬は司法書士の自由なので、上記金額より高い報酬を取る司法書士も当然存在はしております)。

ただし、6万円、7万円台を相続登記の司法書士報酬のベースにしている司法書士でも、不動産の個数が沢山あるとか、対象不動産が点在しており、複数の法務局の管轄に存在しているとか、相続登記の申請人が異常に多いとか、相続人の中に認知症等、意思能力のない方が存在しているとか、相続人が海外に在住しているとか、お亡くなりになった人も相続人も外国人で相続人が海外に在住しているとか、このように何か特殊な事情が存在する場合には、6万円~7万円で済まず、プラスアルファの金額が加算されてしまう可能性があります

以上のことを踏まえると、本当に司法書士が相続登記の報酬だけで20万とか30万を取っているとしたら、依頼者の方の相続財産がとてつもなく多いか、上記のように何らかの特殊事情が介在していなければ、正直申し上げて私個人の感覚からすれば「?」と言わざるを得ません。

もっとも、何度も申し上げますが、報酬の設定は各自の自由なので、私がその司法書士に「報酬はこうあるべき」と押し付けることはできないことは論を待ちません。

もし、相続登記を司法書士に依頼される場合には、上記の情報を踏まえて、ご判断いただければ幸いです。

【2019】自分で相続登記をやる方のための完全ガイド最新版

本サイトは、自分で相続登記を申請する方のための完全ガイドです。自分で相続登記をやる際に実際にかかる費用、申請書の作成方法、遺産分割協議書の作成方法、戸籍の収集方法等、法定相続人とは何か、相続放棄の方法、遺言に基づく登記(遺贈)、数次相続登記、相続分の譲渡等、現役の司法書士監修のもとすべての情報を網羅ししたサイトです。司法書士は登記の専門家であり、法務局や登録司法書士会等から最新の情報が手に入ります。これら最新の情報を惜しげもなく提供することができること、また内容の正確性は登記の専門家である司法書士だからできることです。申請書の作成は、細かなルールがあるので、それに則ってやらないと、補正といって、申請した管轄の法務局まで行って登記官の面前で補正(修正)をしなければなりません。ですから、簡単だと思って甘くみて申請してみると、後から、補正となってしまいますので、本サイトをご覧になって頂き、しっかりと要所を押さえましょう!

 

※本サイトに登場する当事者の氏名、住所及び司法書士Xの住所並びに不動産の表示は全て架空のものとなりますので、予めご了承下さい。

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