相続登記申請書作成時の割印・押印の仕方
相続登記申請書は、A4の紙を用いて、ワードやキングソフト等のソフトを用いて作成します。最悪、手書きでも良いですが、出来れば避けたほうがよいです。
一連の流れを説明しますと、
相続登記申請書を作成したら印刷して、相続登記申請書+印紙のページの後に相続関係説明図、遺産分割協議書のコピー、遺産分割協議に参加した方全員分の印鑑証明書のコピー、お亡くなりになられた方の住民票の除票のコピー、不動産を相続される方の住民票のコピー(法定相続の場合は、遺産分割協議書及び印鑑証明書不要)を綴って、最後にホチキスで左側2か所で止めます。
その後に相続登記申請書の押印、申請書が複数枚の場合の割印、原本還付をする場合の「上記は原本に相違ない」旨の記載と署名と押印、遺産分割協議書等のコピー間の割印の処理を施す流れとなります。
相続登記申請書1枚目の氏名の横に押印した印影を用いて割印、原本還付をする場合の押印をします(申請書1枚目に押す印鑑、申請書の綴り目や添付書類のコピー間の綴り目に押す印鑑、原本還付をする場合の印鑑は全て同じものを使用すれば良いということです。)
これらに用いる印鑑は認印で問題ありません。
以下、相続登記申請書➡添付書面に至るまで、可能な限り、割印、押印の箇所を載せております。
なお、以下「〇枚目から〇枚目」という記載は、裏面のページをカウントしておりません。基本的に裏面は使用しません(〇枚目の裏面は白紙のままで印字も割印もしないということです。)
不動産登記申請書1枚目に押す押印の仕方
相続を登記原因とする不動産登記申請書の最初にページに押す印鑑ですが、これは認印で問題ありません(実印を用いる必要はありません。)
申請書1枚目に押す押印の箇所 申請書1枚目に押す押印の箇所(2か所)

押印する箇所は、申請人たる相続人の住所氏名の横に押印するのと、上部等の余白に捨印として押印しておきましょう。
万が一間違いがあった場合に、法務局から電話がかかってきて、「間違いがあるので直しに来てください」と言われ、通常は法務局に行って間違いを修正しなければなりません。(これを「補正」といいます。)
捨印を押す理由ですが、捨印があると、場合にもよりますが、法務局のほうで電話の確認のみで修正してくれることがあります。
この点、通常は登記官の面前で補正をするということが基本ですから、このような神対応を決して期待してはいけません(汗)
提出する前に、相続登記申請書を何度もチェックして(登記申請書類の作成に慣れている司法書士ですら提出する前に何度もチェックをしております。)
間違いのない申請書、添付書類を作成・提出するように心掛けましょう。
不動産登記申請書1枚目から2枚目に押す割印の仕方
登記申請書が複数枚に渡る場合、訴状と違って、ページの下部にページ数を書けば割印はしなくてよいといった取扱いにはなっていないのです(不動産の表示が多かったり、印紙台紙を独立したページにした場合は、登記申請書は複数枚に渡るでしょう。そういう場合に、訴状であれば、ページの下部に「1」とか「2」とかページ数を書けばページとページの間に印鑑を押さなくてよいのですが、登記申請書の場合はそういうわけにはいかないということです。
1枚目目を斜めに折って2枚目と重なるように押印します↓

↑申請書1枚目から2枚目に押す割印
1枚目をそのまま見ると、折り目がつきまして、裏側の印影がかすかに見えるのがわかると思います。↓

なお、割印の仕方ですが、折り方は、法務局の書式例のように、綺麗に縦に折って割印を押すやり方でも当然、問題ありません(2ページ目参照)。↓
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001207255.pdf
↓当サイトの方式では、申請書1枚目をめくるとこんな見え方です。

不動産登記申請書2枚目から3枚目に押す割印の仕方
2枚目から3枚目の契印 2枚目をめくると↓のようになります。

不動産登記申請書3枚目
3枚目は、登録免許税を収入印紙で納める場合の収入印紙を貼るページになります(見開き右側のページに貼ります。左側のページ(前ページの裏面)は、基本使用することはありません。)
既述のとおり、登記申請書と収入印紙を貼り付けた用紙の綴り目にも割印が必要となります。

なお、当事者の表示や不動産の件数がそれほど多くなく、不動産登記申請書が1枚に収まるのであれば、2枚目が収入印紙を貼付するページになりますし、逆に不動産の件数等がかなり多く、不動産登記申請書が3枚に渡るのであれば、4枚目が収入印紙を貼るページになります。
本サイトでは、不動産登記申請書が2枚だったため、3枚目が収入印紙を貼るページということになります(裏面はカウントしておりません)。
印紙を貼るページと言っても、専用の紙が存在する訳ではなく(司法書士事務所によっては、印紙台紙のページを独自に作成しているところも存在しますが)、ペラの白紙のA4の紙(白紙のコピー用紙等)で問題ありません。
収入印紙を貼るページは、見開き右側のページに貼ります。前ページの不動産の表示の裏面には貼りません。
そちらに、1万円の収入印紙、千円台の収入印紙、100円台の収入印紙を適宜に貼り付けて終わりです。
ここで一番ポイントになるのは、消印をしてはならないということです!
本当にご注意下さい!
相続関係説明図は押印不要
相続関係説明図には、押印不要です。
なお「相続を証する書面を還付した」旨の記載の右横に印鑑を押すような欄がありますが、こちらは、法務局側が押すので、無視して頂いて構いません。
相続関係説明図

遺産分割協議書、印鑑証明書、住民票、住民票除票の原本還付書面(これらのコピー)は原本還付の旨、割印必要
遺産分割協議書

ここから先は、順番はお好きなつづり順で良いでしょう。写真では遺産分割協議書が先頭にきておりますが、印鑑証明書➡遺産分割協議書の順番でも構いませんし、住民票や住民票の除票を先にもってきても構いません。
いずれにせよ、このページから原本のコピーを挿入してそれを間髪入れず綴っていく形になりますので、写真のとおり、原本還付の文言と署名押印が必要になってきます(ゴム印を使用して記名押印でも構いません。) 。
なお、原本還付の文言を朱書で記載して(その下でも横でもどちらでも良いのですが)写真のように、登記官が押印できるような欄を作っておきましょう。

さらに、空欄に「上記は原本に相違ありません」等の振り合いで記載して、署名(記名でも可)押印をします。

こちらの印鑑は、申請書に押印した印鑑と同じ印鑑を用います。
なお、原本還付の文言と「上記は原本に相違ありません」及び署名押印は、原本還付書面(コピー)の最後のページに記載しても構いません。
遺産分割協議書1枚目から2枚目の割印

そして、遺産分割協議書1枚目から2枚目にかけて、写真のように綴り目に割印を押します
遺産分割協議書から印鑑証明書にかけて

これまでとは異なる折り方をして割印をしておりますが、これは、印鑑証明書であることを皆様に見えるようにするためにしているだけです( ´∀` )
遺産分割協議書から住民票にかけて

遺産分割協議書の写し➡印鑑証明書の写し(遺産分割協議に参加した方全員分)➡住民票の順番で綴っておりますが、住民票や住民票の除票を先頭に綴っても全く問題ありません。
割印の仕方は法務局の書式形式で綺麗な縦の綴り目で行っております。本サイト上で示した今まで通りの斜めに折って割印をするやり方でして頂いて全く問題ありません(次の書面が住民票であることがわかるようにするために、わざとそのような割印の仕方をしただけです。)
住民票から住民票除票にかけて
住民票の除票は、お亡くなりになった方のものを添付します。 なお、上の写真は、住民票の除票の写しを当たり前のように添付しておりますが、登記簿上の住所とお亡くなりになった方の最後の住所が同じ場合は、添付する必要がありません(添付する必要がないということは、原本も写しも提出する必要がないということです。)。
住民票除票から固定資産税評価証明書にかけて
固定資産税評価証明書は、添付書類なので、こちらを原本還付しない限り、住民票除票から固定資産税評価証明書にかけて割印を押印する必要はありません。
なお、固定資産税評価証明書の後は、原本をクリアファイルに入れるか、原本の束をクリップで留めて管轄法務局に提出する形となります(登記申請書と原本還付書面の原本が判然区別出来ていれば、いかなるやり方でもよろしいかと思います。)