Q&A

古い解除証書、弁済証書、委任状で抵当権抹消できますか?

依頼者Aさん
依頼者Aさん
今から10年近く前の解除証書や弁済証書、委任状が手元にあった場合で、かつ、返済された方がお亡くなりになられた場合、手元にある書面を使用して抵当権抹消登記申請をすることはできるのですか?
司法書士Y
司法書士Y
全て揃っていれば、可能だと思いますよ。
依頼者Aさん
依頼者Aさん
解除証書、弁済証書等に記載された会社代表者が現在の会社代表者と異なる場合でも大丈夫なんですか?
司法書士Y
司法書士Y
登記申請書のその他の事項欄に代表権限が存してした期間を記載するひと手間がありますが、そちらの解除証書、弁済証書等を登記原因証明情報として使用することはできます。
依頼者Aさん
依頼者Aさん
解除証書、弁済証書等の登記原因証明情報に弁済をされた人(亡くなった方)の名前の記載があっても、問題ありませんか?
司法書士Y
司法書士Y
そうですね。例えば、司法太郎さんが抵当権の被担保債務を返済した場合、解除証書、弁済証書等には、「司法太郎 殿」なる旨の記載が書いてある場合もあると思います。こちらの記載についても問題ありません。返済した当時は司法太郎さんはご存命だった訳ですので。
依頼者Aさん
依頼者Aさん
抵当権者の委任状に、代理人として、弁済をされた人(亡くなった方)の名前が載ってしまっておりますが、どうすればよいでしょうか?
司法書士Y
司法書士Y
抵当権者の捨印とか押されていないでしょうか?押されていれば、(今回相続された方が自ら登記の申請をされるのであれば)、自身の名前に変えればよろしいかと思います。
(恐らく、申請人兼義務者代理人として、抵当権の抹消を司法書士に依頼せずにご自身でされる選択肢を抵当権者が示されたのでしょう。だから、そのような委任状が手元にあるのではないかと思います。)
司法書士Y
司法書士Y
なお、訂正の仕方にはご注意下さい。訂正箇所に二重線を引っ張り、余白に正しい記載、捨て印の近くに「4字削除 5字加入」等の振り合いで記載をするという独特の訂正方法を用いる必要があります(かかる訂正の仕方を「間接法」といいます(不動産登記規則45条2項))。
司法書士Y
司法書士Y
余談ですが、こういった案件を司法書士が受けた場合、本人確認・意思確認を登記義務者側にもしないといけませんので、弁済の事実の有無や手元にある書類で登記申請をして良いのか否か(特に委任状については再発行されるか否か)を直接、抵当権者に連絡を取りますので、基本的に問題は生じません。

相続人の方が申請をされる場合には、弁済の有無については、お近くにいらっしゃったので、ある程度把握はされていらっしゃるでしょうが、委任状の取り扱いについては、別問題とされますので、ご不安であれば、抵当権者に連絡を取られたほうがよろしいかと思います。

依頼者Aさん
依頼者Aさん
書類が一部足りていない場合はどうすればよいでしょうか?
司法書士Y
司法書士Y
委任状や解除証書、弁済証書等(登記原因証明情報)であれば、抵当権者に連絡して再発行してもらってください。

一方、権利証(登記済証)及び登記識別情報通知については、再発行されない書面なので、こちらを紛失している場合は、代替手段として、事前通知の手続又は資格者代理人の本人確認情報を添付して登記の申請をするほかないですね。

依頼者Aさん
依頼者Aさん
書類送付案内に記載されている抵当権者の電話番号に連絡しても、「現在使われておりません」等のアナウンスが流れ、連絡が取れないのですが?
司法書士Y
司法書士Y
1つめの可能性としては、社名変更(商号変更)してかつ現在の固定電話の番号が変わってしまっているというパターンが考えられます。この場合は、その会社の閉鎖事項証明書や履歴事項証明書を取得して社名変更の変遷をたどってみてください。

案外、それで、社名が過去から現在につながって、現在の会社が判明し、インターネットで検索をして連絡がとれる場合がありますよ。

ABOUT ME
自分でやる相続登記・名義変更作成委員会
大阪司法書士会所属の司法書士Xです。司法書士歴15年です。