相続による所有権移転登記申請書パターン5

相続登記申請書を作成する際の注意点

法務局の不動産登記申請の申請書様式(20)から22)を参考にして、登記申請書を作成して頂いても結構ですが、法務局の不動産登記申請書様式通りにそのまま記載してしまうと、登記識別情報の通知がされないことが当然の前提となっていたり(「登記識別情報の通知を希望しません」のチェックボックスが当然に入っており、こちらにチェックを入れてしまう危険性)、原本還付書面や登記完了証、登記識別情報をわざわざ法務局まで取りに行かなければならない等の不都合を生じる可能性がありますので十分にご注意下さい。

1 土地・建物一戸建てを妻名義(又は夫名義)の単独にする場合

登 記 申 請 書

登記の目的  所有権移転  

原因  平成30年2月1日相続 (注1)

相 続 人    (被相続人 司法次郎)(注2)

東京都〇〇区〇〇町一丁目2番3号

司法和子(注3)

連絡先の電話番号〇〇―〇〇〇〇―〇〇〇〇(注4)

添付書類

登記原因証明情報(注5)住所証明書(注6)

送付の方法により登記識別情報通知書及び原本還付書類の交付を希望する(注7)

送付先の住所 申請人の住所

平成30年2月9日申請(注8)

東京法 務 局(又は地方法務局)〇〇支局(又は出張所)(注9)

課税価格 金3,000万円(注10)

登録免許税 金120,000円(注11)

不動産の表示(注12)

所   在  〇〇市〇〇町一丁目

地   番    23番

地   目    宅 地

地   積    123・45平方メートル

所   在  〇〇市〇〇町一丁目23番地

此の不動産の価格 金〇〇万〇〇円

家屋番号  23番

種   類  居 宅

構   造  木造かわらぶき2階建

床  面  積  1階 43・00平方メートル

      2階 21・34平方メートル

此の不動産の価格 金〇〇万〇〇円(注13)

(注1)被相続人(お亡くなりになられた方)が死亡した日(戸籍上の死亡日)を記載します。

(注2)被相続人(お亡くなりになられた方)の氏名を記載します。

(注3)相続人の住所及び氏名は,住民票の写しに記載されているとおり正確に記載しましょう。

(注4)申請書の記載内容等に補正すべき点がある場合に,登記所の担当者から連絡するための連絡先の電話番号(平日日中に連絡を受けることができるもの。携帯電話の番号でもOK)を記載します。

(注5)登記原因証明情報として,法定相続情報一覧図の写し(原本)又は

1 お亡くなりになられた方の出生から死亡に至るまでの戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)・除籍全部事項証明書(除籍謄本)・改製原戸籍(被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要です。)

2 お亡くなりになられた方の本籍入りの住民票の除票

3 相続人の現在戸籍

(注6)申請に係る不動産を相続することになった相続人全員の住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)です。

コピーは不可なので、原本を提出します。なお、住民票コードを記載した場合は,提出する必要はありません。また、法定相続情報一覧図の写し(原本)に相続人の住所が記載されているときは、その相続人の住所証明書の添付は不要となります(平成30.3.29民二第166号)。

(注7)登記完了後、完了後の登記識別情報と原本還付書類を郵送してもらう場合の記載方法です。なお、「相続関係説明図」が提出された場合には,戸籍全部(個人)事項証明書(戸籍謄抄本),除籍事項証明書(除籍謄本)が,登記完了時に返却されます。法定相続情報一覧図の写し(原本)を取得していない場合は、相続関係説明図を提出して戸籍一式を返還してもらう方法が望ましいかもしれません。

配偶者1名、子2名の場合の相続関係説明図の作成については、相続関係説明図1(Word文書)
を参照ください。

(注8)直接法務局に提出する場合は実際に提出する日。郵送で法務局に発送して申請する場合は発送日を記載します。なお、ネット上では、郵送申請の場合、「法務局に到達する日を記載しないといけないから、到達日を予想して記載すべき」等の記載が散見されておりますが、郵送の場合、第三者を介在させることにより、発送の段階で現実に到達する日が不明と言わざるを得ません。また申請事項を空欄にするのはよろしいことではないため、「発送日」で問題ありません(仮に到達日の見解が正しいとしても「発送日」にしても補正にはなりません。)

(注9)不動産所在地を管轄する法務局を記載します。管轄は、法務局ホームページの「管轄のご案内」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html)を参照してください。

(注10)固定資産税評価額に記載された不動産の価額を記載します。

(注11)課税価格登録免許税の計算方法は,法務局ホームページの「登録免許税の計算https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188808.pdf)」を参照してください。

(注12)登記の申請をする不動産を,登記記録(登記事項証明書)に記録されているとおりに正確に記載してください。

(注13)固定資産税評価証明書の不動産の価格を1円単位で記載します(固定資産税評価証明書通り記載すればよいということです)。「此の不動産の価格」と難しい表現にしておりますが、「価格」でも問題ありません。

2 マンション(敷地権なし区分建物)を妻と子供2人の名義にする場合(土地は賃借権等の制限物権のため、建物のみが相続物件の場合)

登 記 申 請 書

登記の目的  所有権移転  

原因  平成30年2月1日相続 (注1)

相 続 人    (被相続人 司法次郎)(注2)

東京都○○区○○町一丁目2番3号(注3)

持分4分の2 司法和子

埼玉県○○市○○(注3)

4分の1 司法A男

神奈川県○○市○○(注3)

4分の1 行政B子

連絡先の電話番号○○―○○○○―○○○○(注4)

添付書類

登記原因証明情報(注5)住所証明書(注6)

送付の方法により登記識別情報通知書及び原本還付書類の交付を希望する(注7)

送付先の住所 申請人の住所

平成30年2月9日申請(注8)

東京法 務 局(又は地方法務局)○○支局(又は出張所)(注9)

課税価格 金2,000万円(注10)

登録免許税 金80,000円(注11)

不動産の表示(注12)

一棟の建物の表示

 所   在    世田谷区〇〇

 構   造    鉄筋コンクリート造陸屋根4階建

 床 面 積     1階 〇〇.〇〇㎡

                            2階 〇〇.〇〇㎡

                            3階 〇〇.〇〇㎡

                            4階 〇〇.〇〇㎡

 

専有部分の建物の表示

 家屋番号    〇〇一丁目〇番〇

 建物の名称  〇〇〇

 種   類    居宅

 構   造    鉄筋コンクリート造1階建

 床 面 積    3階部分 〇〇.〇〇㎡

此の不動産の価格 金〇〇円(注13)

 

(注1)被相続人(お亡くなりになられた方)が死亡した日(戸籍上の死亡日)を記載します。

(注2)被相続人(お亡くなりになられた方)の氏名を記載します。

(注3)相続人の住所及び氏名は,住民票の写しに記載されているとおり正確に記載しましょう。

(注4)申請書の記載内容等に補正すべき点がある場合に,登記所の担当者から連絡するための連絡先の電話番号(平日日中に連絡を受けることができるもの。携帯電話の番号でもOK)を記載します。

(注5)登記原因証明情報として,法定相続情報一覧図の写し(原本)又は

1 お亡くなりになられた方の出生から死亡に至るまでの戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)・除籍全部事項証明書(除籍謄本)・改製原戸籍(被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要です。)

2 お亡くなりになられた方の本籍入りの住民票の除票

3 相続人の現在戸籍

 

(注6)申請に係る不動産を相続することになった相続人全員の住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)です。

コピーは不可なので、原本を提出します。なお、住民票コードを記載した場合は,提出する必要はありません。また、法定相続情報一覧図の写し(原本)に相続人の住所が記載されているときは、その相続人の住所証明書の添付は不要となります(平成30.3.29民二第166号)

(注7)登記完了後、完了後の登記識別情報と原本還付書類を郵送してもらう場合の記載方法です。なお、「相続関係説明図」が提出された場合には,戸籍全部(個人)事項証明書(戸籍謄抄本),除籍事項証明書(除籍謄本)が,登記完了時に返却されます。法定相続情報一覧図の写し(原本)を取得していない場合は、相続関係説明図を提出して戸籍一式を返還してもらう方法が望ましいかもしれません

(注8)直接法務局に提出する場合は実際に提出する日。郵送で法務局に発送して申請する場合は発送日を記載します。なお、ネット上では、郵送申請の場合、「法務局に到達する日を記載しないといけないから、到達日を予想して記載すべき」等の記載が散見されておりますが、郵送の場合、第三者を介在させることにより、発送の段階で現実に到達する日が不明と言わざるを得ません。また申請事項を空欄にするのはよろしいことではないため、「発送日」で問題ありません(仮に到達日の見解が正しいとしても「発送日」にしても補正にはなりません。)

(注9)不動産所在地を管轄する法務局を記載します。管轄は、法務局ホームページの「管轄のご案内」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html)を参照してください。

(注10)固定資産税評価額に記載された不動産の価額を記載します。

(注11)課税価格登録免許税の計算方法は,法務局ホームページの「登録免許税の計算(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188808.pdf)」を参照してください。

(注12)登記の申請をする不動産を,登記記録(登記事項証明書)に記録されているとおりに正確に記載してください。

(注13)固定資産税評価証明書の不動産の価格を1円単位で記載します(固定資産税評価証明書通り記載すればよいということです)。「此の不動産の価格」と難しい表現にしておりますが、「価格」でも問題ありません。

3 マンション(敷地権付区分建物)の共有持分を単独所有名義にする場合(敷地の権利は所有権)(以下、改訂中です)

登 記 申 請 書

登記の目的  司法次郎持分全部移転  

原因  令和2年2月1日相続 (注1)

相 続 人    (被相続人 司法次郎)(注2)

東京都○○区○○町一丁目2番3号(注3)

持分2分の1 司法和子

連絡先の電話番号○○―○○○○―○○○○(注4)

添付書類

登記原因証明情報(注5)住所証明書(注6)

送付の方法により登記識別情報通知書及び原本還付書類の交付を希望する(注7)

送付先の住所 申請人の住所

令和2年6月11日申請(注8)

東京法 務 局(又は地方法務局)○○支局(又は出張所)(注9)

課税価格 移転した持分の価格 (改訂中)(注10)

登録免許税 (改訂中)(注11)

不動産の表示(注12)

 

改訂中

 

(注1)被相続人(お亡くなりになられた方)が死亡した日(戸籍上の死亡日)を記載します。

(注2)被相続人(お亡くなりになられた方)の氏名を記載します。

(注3)相続人の住所及び氏名は,住民票の写しに記載されているとおり正確に記載しましょう。

(注4)申請書の記載内容等に補正すべき点がある場合に,登記所の担当者から連絡するための連絡先の電話番号(平日日中に連絡を受けることができるもの。携帯電話の番号でもOK)を記載します。

(注5)登記原因証明情報として,法定相続情報一覧図の写し(原本)又は

1 お亡くなりになられた方の出生から死亡に至るまでの戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)・除籍全部事項証明書(除籍謄本)・改製原戸籍(被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要です。)

2 お亡くなりになられた方の本籍入りの住民票の除票

3 相続人の現在戸籍

 

(注6)申請に係る不動産を相続することになった相続人全員の住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)です。

コピーは不可なので、原本を提出します。なお、住民票コードを記載した場合は,提出する必要はありません。また、法定相続情報一覧図の写し(原本)に相続人の住所が記載されているときは、その相続人の住所証明書の添付は不要となります(平成30.3.29民二第166号)

(注7)登記完了後、完了後の登記識別情報と原本還付書類を郵送してもらう場合の記載方法です。なお、「相続関係説明図」が提出された場合には,戸籍全部(個人)事項証明書(戸籍謄抄本),除籍事項証明書(除籍謄本)が,登記完了時に返却されます。法定相続情報一覧図の写し(原本)を取得していない場合は、相続関係説明図を提出して戸籍一式を返還してもらう方法が望ましいかもしれません

(注8)直接法務局に提出する場合は実際に提出する日。郵送で法務局に発送して申請する場合は発送日を記載します。なお、ネット上では、郵送申請の場合、「法務局に到達する日を記載しないといけないから、到達日を予想して記載すべき」等の記載が散見されておりますが、郵送の場合、第三者を介在させることにより、発送の段階で現実に到達する日が不明と言わざるを得ません。また申請事項を空欄にするのはよろしいことではないため、「発送日」で問題ありません(仮に到達日の見解が正しいとしても「発送日」にしても補正にはなりません。)

(注9)不動産所在地を管轄する法務局を記載します。管轄は、法務局ホームページの「管轄のご案内」(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/kankatsu_index.html)を参照してください。

(注10)固定資産税評価額に記載された不動産の価額を記載します。

(注11)課税価格登録免許税の計算方法は,法務局ホームページの「登録免許税の計算(https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188808.pdf)」を参照してください。

(注12)登記の申請をする不動産を,登記記録(登記事項証明書)に記録されているとおりに正確に記載してください。

(注13)固定資産税評価証明書の不動産の価格を1円単位で記載します(固定資産税評価証明書通り記載すればよいということです)。「此の不動産の価格」と難しい表現にしておりますが、「価格」でも問題ありません。

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相続登記の必要書類・添付書類まとめ

相続登記(相続による名義変更)で必要な書類

相続登記申請において必要な書類は以下のとおりとなります。なお、下記5以外は登記原因証明情報(登記の原因となる事実又は法律行為の存在を証する情報)となります。

◎=必要的添付書類 〇=不要な場合もありの書類

相続登記申請時の添付書類

添付の要否添付書類説明・備考
お亡くなりになられた方の出生から死亡に至るまでの戸籍・除籍・改製原戸籍又は法定相続情報一覧図の写し(原本)
お亡くなりになられた方の本籍入りの住民票の除票又は戸籍の除附票
相続人の現在戸籍
相続関係説明図書面申請で法定相続情報一覧図の写しを添付した場合は不要(例外あり)
相続人の住民票(マイナンバーは絶対に入れないでください。)
遺産分割協議書法定相続人が複数の場合で、そのうちの特定の方が対象不動産を相続される場合のみ必要
相続人全員の印鑑証明書法定相続人が複数の場合で、そのうちの特定の方が対象不動産を相続される場合のみ

例)お父様が不動産(土地・建物)の名義人で、お父様がお亡くなりになられ、相続人がお母様・お子様2人であり、お母様のみに不動産の名義を変更する場合

ご子息、ご息女が自分で相続登記を申請する場合、ご自身にも法定相続権はあるけれど、お母様に名義を変更する場合がこれにあたります。

1 お亡くなりになられた方の出生から死亡に至るまでの戸籍・除籍・改製原戸籍(登記原因証明情報)

お亡くなりになられた方はお父様のため、お父様の出生から死亡に至るまでの戸籍等が必要となります。

(1)戸籍の収集方法

戸籍は該当の戸籍を取得できる役場が近くにあれば、直接出向いて頂き取得。遠方であれば郵送にて取得することになります。

➀ まずは、最後の本籍地でお父様の死亡の記載のある戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)を取得して頂きます。

↑ お亡くなりになられた方の戸籍を見ると、死亡の記載と「除籍」が確認できます。このように戸籍を取得するコツは、時系列的に最新の事実から過去に遡ることです。

戸籍交付申請書の記載方法は、役所に行ったら係員に「相続登記で必要となるので、父又は旦那(お亡くなりになられた方)の出生から死亡に至るまでの全ての戸籍を取得したいのですがどのように記載すればよろしいでしょうか?」と聴いて頂くのが一番手っ取り早いと思います。

大抵、本籍地は、生まれてからお亡くなりになるまで、同じ役所の管轄区域内にあることは極めて稀で、ほとんどの方が本籍地を転々としており、管轄が異なる別の場所から移ってきた場合がほとんどですので、最後の本籍地を管轄する市区町村役場のみで事足りるわけではないと考えられたほうがよろしいと思います。

よって、最初に足を運んだ役所の職員から、「こちらの役所で取得できるのは、結婚されて以降の分しか出てきません。その前の分については、別の役所で取得して下さい。」と言われる可能性が高いと思って下さい。

➁ 転籍前の戸籍を郵送方法で取得

ご主人様(お父様)が最後にお亡くなりになられた地が東京で、結婚する前は、地方に住んでいらっしゃったような方によくある話ですが、東京からかなり遠方の地域に戸籍が存在していたような場合が考えられます。

この場合に戸籍を取得するためだけに、わざわざ足を運ぶのは費用としてもったいない限りなので、多少時間はかかりますが(1週間から10日間程度)除籍謄本、改製原戸籍等を郵送にて取得をされたほうがよろしいかと思います。

➂ 戸籍がつながらないとき

登記申請実務上、原則としてお亡くなりになられた方の出生から死亡に至るまでの戸籍を間断なく添付して申請をしなければならないことになっておりますが、戦災等の滅失によりそれよりの前の戸籍(除籍謄本、改製原戸籍)が役所に保存されていない場合があります。

このような場合、下記のような告知書等「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書)が提供されれば、相続登記の申請をすることができます(平成28年3月11日民二第219号)。

この先例は比較的新しい先例でして、相続登記申請を日夜行っている司法書士にとっては画期的な先例でした(⌒∇⌒) この先例が出る前は、遺産分割協議書に「他に相続人はいない」旨の記載をするか、別途「他に相続人はいない」旨の相続人全員の証明書に印鑑証明書を付けて申請をしなければいけなかったのです(かなり面倒でした)。

要するに先例が相続登記申請しやすいように変更されたということです。

なお、火災により、除籍謄本が提供できない場合に、相続人の1人の作成による「一切の責任をもつ」旨の書面をもって相続人全員による他に相続人はいない旨の証明書に代えることはできません(昭和58年3月2日民三1311号)。

上記先例は出されてから3年以上経過した現在ですら、未だに日本人の相続の案件につき、上記のような事案において「他に相続人はいない旨の証明書の作成の依頼を受けます」等の内容が記載された司法書士事務所のサイトが存在します(おそらく、当該部分につき、内容を更新していないものと思われます。この部分に限りませんが、法律が改正された部分を変更していなかったり先例が変更されたものを考慮せずに昔の内容のままで放置している事務所サイトは誠に遺憾ながら散見されます)ので、混乱しないように注意しましょう)( ´∀` )。

2 お亡くなりになられた方の本籍入りの住民票の除票(登記原因証明情報)又は戸籍の除附票

旦那様(お父様)の登記簿上の住所と本籍地が異なる場合に、同一人であることを立証するために、必要となる書面です。そうすると、登記簿上の住所と本籍地が同じ場合には不要ということになります。

歴史的な経緯をお話しすると、昭和27年6月30日以前は、住所をもって本籍をすることがほとんどでした。しかし、昭和27年7月1日に住民登録法が施行され、戸籍の附票により関連づけられる他、戸籍の本籍と住所との関係は完全に分離された次第です。

なお、司法書士に依頼すると、一律に「住民票の除票(戸籍の除附票)は必要となるので、提出願います」と言われてしまう場合が多いです。

下記は、戸籍の除附票(じょふひょう)です。

3 相続人の現在戸籍(登記原因証明情報)

戸籍全般について言えますが、被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要です。提出書類としては、相続人の戸籍抄本で足りるのですが

、司法書士に依頼すると、「相続人の戸籍謄本を提出願います。」と言われてしまう場合が多いです。万が一、相続人の方がお亡くなりになられている場合、代襲相続人が相続人となるのですが、同一戸籍内に存在する代襲相続人の情報を知ることができる場合があることからです。

また、相続人の戸籍謄本につき、法令上、期間制限はないのですが、司法書士に依頼すると、「3か月以内の戸籍謄本を提出願います。」と言われてしまう場合があります。あまりにも取得年月日が古いと相続人の方がご存命かどうかを判断することができなくなることからでしょう(対面又は電話等で本人確認するでしょうが、念のためということでしょう。)。

4 相続関係説明図

登記記録上の被相続人の住所と最後の住所が異なる場合、相続関係説明図には併記すべきである(『登記研究507号・198頁 テイハン』とされております。

また、最後の住所が不明である場合には、本籍地を記載する(『登記研究439号・129頁 テイハン』)とされております。

よって、相続関係説明図には、➀被相続人の登記記録上の住所、➁被相続人の最後の住所、➂被相続人の最後の本籍は記載をしておいたほうが無難かもしれません。

5 相続人の住民票(住所証明書)

法定相続情報一覧図の写し(原本)に相続人の住所が記載されているときは、その相続人の住所証明書の添付は不要となります(平成30.3.29民二第166号)。相続人の相続手続の手続き的な負担軽減がこちらの趣旨です。

不動産の名義人となる方(法定相続による持分取得者を含む)のみ必要となります。マイナンバーの入っていないものです。本籍は入っていなくてもよいですが、入っていると、万が一戸籍が不足している場合に戸籍収集のとっかかりとなりますので、入れておいたほうが無難かもしれません

遺産分割協議により、不動産を取得しない方の分(住民票)は不要です。但し、後述の印鑑証明書は必要です。

5 遺産分割協議書(登記原因証明情報)

(1)総論

遺産分割協議書は必ずしも必要となる書類ではありません。しかし、例えば、法定相続人が数人存在し、その中で1人の方が単独で相続をするような事案の場合には、遺産分割協議をするのが一般的です。

(2)記載内容の注意点

➀ 登記申請用に用いる遺産分割協議書は、不動産登記とは関係のない預貯金や現金、有価証券等の記載は不要です。

盛り込まれていてもよいですが、登記をした後、利害関係人が法務局に提出した遺産分割協議書を閲覧できてしまいます。そうすると、個人情報保護の観点からも不必要な情報をあえて載せる必要は無いのではないかということになります。

➁ 遺産分割協議書の末尾に「本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産については、相続人〇〇がこれを取得する」旨の記載が散見されますが、かかる記載はメリットもありますが、それを上回るデメリットの存在可能性があるのであまり推奨できません。

6 相続人全員の印鑑証明書(登記原因証明情報)

遺産分割協議書を作成する場合、相続人全員の印鑑証明書が必要となります(『不動産登記の申請手続実践問答201頁 日本法令参照』)。Cf.(注1)

なお、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書については、新しいものが必要となってくるのでしょうか?

こちらについては、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書の有効期間の定めはないので(『〔8訂版〕事項別 不動産登記のQ&A210選126頁 日本法令』)、作成から3か月を経過していても、必ずしも取り直す必要はありません。

また、遺産分割協議書に添付する印鑑証明書は、その作成の日がお亡くなりになった方(被相続人)の死亡の日以前に作成されたものでも差し支えない(『登記研究551号・171頁 テイハン』)とされておりますので、被相続人が死亡する前に偶然、印鑑証明書を余分に取得していた場合には、その印鑑証明書を用いることができることになります。

上記のように、古い印鑑証明書でも良いということは、印鑑証明書を取得した後、住所変更をすることもあるかと思います。

その場合、印鑑証明書上の住所と現在の住所が異なることになります。遺産分割協議書上に記載する住所は、現在の住所、印鑑証明書上の住所は古い住所で齟齬(そご)が生じます。

このような場合、どうするかというと、印鑑証明書の住所と接続する住所の変更を証する情報(住民票の写し等)を併せて提供しなければならないことになります(『登記研究557号・169頁 テイハン参照』)。

(注1)公正証書による遺産分割協議書の場合

公正証書によって遺産分割協議書を作成した場合には、相続登記申請時、印鑑証明書を提供する必要がありません(『登記研究146号・42頁 テイハン参照』)

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戸籍の収集方法

 戸籍の収集方法

(1)まずは被相続人(お亡くなりになられた方)の死亡時の戸籍から

被相続人の戸籍の取得の順番に関してですが、現在から過去に遡って戸籍を取得していくのが基本となります。

被相続人の死亡届を提出された後、上記のとおり、被相続人の戸籍を取得すると「除籍」の記載と「死亡」に関する記載が戸籍に登載されていると思います。

そして「死亡日」をご覧になって頂くと「年月日」の記載が載っていると思います。そちらが相続登記申請の原因日付になります。基本的にはその日付をそのまま記載して頂くことになります。

例 平成30年4月20日死亡

→ 平成30年4月20日相続

(2) 改製原戸籍の取得

(写真準備中)

改製原戸籍を取得して終わりということは基本的にないでしょう。そこからさらに前の戸籍を取得する必要があります。

➀ 転籍をしている場合

その前の戸籍が婚姻前の戸籍ではなく、転籍をしている場合もあろうかと思います。転籍をしている場合は、改製原戸籍の冒頭に「和暦年月日どこそこ(地名)から転籍届出」なる記載がされていると思いますので、その「どこそこ」の役所から転籍前の戸籍を取得することになります。

郵送申請で取得する場合は、転籍前の戸籍を管轄する役所のホームページをご覧頂き、申請書類をダウンロードするなど、そちらの様式に従って申請をしていけばよろしいかと思います。

なお、郵送申請の場合、戸籍取得手数料は、定額小為替を添付して申請することが多いとは思いますが、添付する分はなるべく多めに入れておくのが良いでしょう。万が一足りないと、再度定額小為替を送らないといけませんので、余計な時間をロスすることになります。

一方、多ければ差額分が戻ってきます。

➁ 転籍等していない場合

婚姻前の戸籍を取得することになります。

原戸籍の被相続人のお名前の上の欄を見て頂くと「和暦年月日 誰それと婚姻 本籍地 某戸籍から入籍」なる旨の記載になっているかと思います。結婚(婚姻)によって、新たな戸籍が作られたということを意味しますので、被相続人(お亡くなりになられた方)の婚姻前の戸籍を取得する必要があります(被相続人の出生から死亡に至るまで戸籍をつなげていく作業が必要ということです)。

そちらの本籍地を管轄する役所に某(戸籍筆頭者)の名前を書いて改製原戸籍又は除籍謄本等を取得することになります(取得したら被相続人のお名前がそちらに載って(編集中)

(3) 婚姻前の戸籍

編集中

相続関係説明図の作成1(相続人3人ー妻1人、子2人)

相続関係説明図

1 相続関係説明図の作成(旦那さんがなくなり、奥様とお子様2人が相続人の場合)

(1)相続関係説明図作成上の注意点

➀ 本籍、最後の住所、登記記録上の住所
本籍を記載した趣旨は、戸籍謄本等一式を原本還付してもらうため。最後の住所及び登記記録上の住所を記載した趣旨は、注意的な記載。

なお、登記簿上の被相続人(お亡くなりになった方)の住所とその方の最後の住所が異なる場合、相続関係説明図には、
これら登記簿上の被相続人の住所と最後の住所を併記すべきとされております(『登記研究507号・198頁 テイハン参照』)。

よって、本籍、最後の住所、登記記録上の住所はチェックの意味でも全て記載しておいたほうが無難かもしれません(^▽^)/。

➁ 相続人の住所の記載は必要か
私が司法書士(代理人)として相続関係説明図を作成する場合は、正直申し上げると、相続人の住所は記載しておりません(^▽^)/
理由は、住所の記載をしても別途、住民票の添付が必要となるからです。住所の記載をすれば、わかりやすい書面となることは確かですが、
書いてなにか意味がある訳ではありません。ちなみに、私は今のところ、私はそれで補正となったことはありません。

では、なぜこのサイトでは記載をしているのかというと、一部の法務局では住所の記載がないと、補正の電話がかかってくるらしいのと、。
法務省のモデルの書式では、なぜか相続人の住所が登載されているため、念のため記載をしております。

➂ 相続人の持分の記載は必要か
相続関係説明図に各相続人の持分の記載することにつき、登記研究の見解(『登記研究468号・95頁 テイハン』)が存在します。

相続人の持分の記載は、法定相続の場合で相続人が複数の場合であるとか、遺産分割協議で不動産を共有する場合等でしかお目にかかることがないものと思いますので、遺産分割協議により不動産を単独で相続する場合は、気にする必要はありません。

自分でやる相続登記であっても最低限かかる費用

相続登記 費用

相続登記は、自分で登記申請をする場合でも税金がかかります。具体的には、国税としての登録免許税です。

金額はいくらかというと、固定資産税評価額の0.4%です。例えば、固定資産税評価額が2,000万円だった場合、2,000万×4/1,000=8万円が必要となります。

納付の仕方は、通常、印紙で納付します。具体的には法務局内の印紙売り場や郵便局等で収入印紙を購入してそちらを不動産登記申請書(不動産の表示を記載した次のページ)に貼り付けます

この際、注意することは、消印をしてはいけないということです。別の例でいうと、例えば領収書に収入印紙を貼付する際、再利用を防ぐ趣旨で消印をしますが、不動産登記申請の際に貼付する収入印紙は、登記機関が納付の事実を確認して消印をする(不動産登記法25条)ことになっているので、申請人自らが誤って消印をしないように注意しましょう

法定相続情報一覧図について

法定相続証明情報証明制度の創設の目的

相続登記がなされないまま放置されることは、所有者不明土地問題や空き家問題を生じさせる大きな要因の1つであるとされておりました。

そこで、相続人の相続手続における手続的な負担の軽減とこちらの制度を利用する相続人に、相続登記を直接促すきっかけを作り出すことにより、今後相続登記がなされないまま放置されることのないようにするとともに、相続登記を促進するために、新たな制度として創設されたものです。

法定相続情報一覧図について

(1)法定相続情報一覧図とは

土地や建物の登記簿上の所有者等がお亡くなりになられた(相続が開始した)場合において

法定相続情報一覧図とは

特定のお亡くなりになられた方(被相続人)の① 氏名
② 生年月日
③ 最後の住所
④ 死亡年月日
お亡くなりになられた方の相続開始時における⑤ 同順位の相続人の氏名
⑥ 同順位の相続人の生年月日
⑦ 同順位の相続人のお亡くなりになられた方(被相続人)との続柄

を一覧図にした書面のことです。

この法定相続情報一覧図の写しを取得するメリットは、費用と時間の短縮です。例えば、故人が複数の金融機関に預金口座をお持ちであった場合、通常金融機関には戸籍の謄本等一式(原本)を提出する必要がありますが、複数の金融機関に同時並行で手続を行う場合、金融機関分の戸籍の謄本一式が求められてしまいます。それだと、かなりの枚数となる可能性があり重たく、かつ費用もかなりの金額がかかってしまいます。

そこで、この法定相続情報一覧図の写しの登場です。こちらを作成する際、添付書類として、戸籍の謄本一式1セットは必要となるのですが、法定相続情報一覧図の写しを一旦取得してしまえば、それを戸籍の謄本等一式の代わりに使えます。そうすると、重たい戸籍の書類の束を金融機関の窓口に持っていかなくても済みますし、複数の金融機関に同時並行で手続きを行うことも可能となります。

また、この法定相続情報一覧図の発行手数料は無料なので、必要な枚数分、無料で取得することが可能です。

法定相続情報一覧図の写しは、現在、相続税の申告、相続登記申請等で使用できる状況です。今後、使える場面が拡大してくると思われますので、早い段階に取得方法に慣れておくとよろしいかと思います。

(2)取得の時期はいつが良い?

ズバリ、相続が開始したら、戸籍の謄本等一式を取得した後、すぐに法定相続情報一覧図の写しを取っておくのがよろしいかと思います。その段階で取得すれば、いろいろな場面で使用できます。

例えば、事前に相続人の住所が記載された法定相続情報一覧図の写しを取得しておけば、相続登記を書面で申請する際、法定相続情報一覧図の写しを添付すれば、相続関係説明図・住民票の写しが不要となります。

戸籍謄本等の提出に関しても一部例外(注)もありますが、法定相続情報一覧図の写しを添付すれば省略することができます。なお、法定相続情報一覧図の写しは原本還付が可能ですので、原本還付をすれば別の用途でも使えます。

(注)法定相続情報一覧図の写し(原本)を添付しても戸籍謄本等が必要となる場合

➀平成25年9月4日以前に開始した相続につき、相続人たる被相続人の子が複数いる場合で法定相続情報一覧図が列挙形式で嫡出子・嫡出でない子の併記がないため、その区別が判明しない場合(嫡出子・嫡出子でない子の法定相続分の疎明のため、別途戸除籍謄抄本を添付する必要があります(平成30年6月11日法定相続証明制度に関するQ&A.Q8・H25.12.11民二781局長通達参照)。)
➁兄弟姉妹が相続人であって、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹と父母の双方を同じくする兄弟姉妹がいる場合で法定相続情報一覧図が列挙形式であり、父母の一方のみを同じくするのか、双方を同じくするのかの情報の併記がないためにその別が判明しない場合(平成30年6月11日法定相続証明制度に関するQ&A.Q9)。

なお、司法書士の場合、オンラインで相続登記申請する場合も多々あり、その場合には、上記の事例だと相続関係説明図のPDF添付も必要となりますが、本サイトを使用される方は書面申請でされる方がほとんどであると思われますので、その説明は割愛させて頂きます。

(3)法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出

法定相続情報一覧図の保管とは、法務局が5年間、法定相続情報一覧図の写しを預かっていることです。

法定相続情報一覧図の交付の申出をする際に、同時に保管の申し出も行っておりますので、以後5年間(申出日の翌年から起算)、無料で法務局の証明がある法定相続情報一覧図の写しの交付を受けることができます。

法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出のやり方としては、必要書類を収集し、法定相続情報一覧図を作成したのち、
「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」をプリントアウトして必要事項を記載したうえ、これらを

管轄一覧

被相続人(お亡くなりになられた方)の本籍地(死亡時の本籍を指します。)
被相続人(お亡くなりになられた方)の最後の住所地
申出人の住所地
被相続人(お亡くなりになられた方)の名義の不動産の所在地

のいずれかの地を管轄する登記所に直接又は郵送にて申出をすれば、法定相続情報一覧図の写しの保管と法定相続情報一覧図の写しを取得することができます。

(2)法定相続情報一覧図の再交付の申出

法定相続情報一覧図の写しが足りなくなった場合に、当初に法定相続情報一覧図申出の際、申出書に「申出人」として氏名を記載した方は、申出日の翌年から起算して5年以内に、法定相続情報一覧図の再交付の申出をすることにより、再交付を受けることができます。

(3)法定相続情報一覧図の写しに関する注意点

➀ 数次相続が生じている場合、一つの法定相続情報一覧図にまとめて記載することはできません。それぞれ被相続人(お亡くなりになった方)ごとに法定相続情報一覧図を作成し、それらを組み合わせて対応することになります。

➁ 被相続人と相続人全員が日本国籍を有していなければ、法定相続情報一覧図の写しの保管及び一覧図の写しの交付をすることができません。

法定相続人のパターンと必要な戸籍

旦那様がお亡くなりになり、奥様とお子様2人が相続人となっている場合

1 法定相続分
奥様 4分の2 お子様2人 4分の1ずつ

配偶者=である奥様の法定相続分は2分の1、お子様の法定相続分は2分の1です。そして、本件では、お子様が2人いらっしゃるので、2分の1を2等分するとお子様の相続分は4分の1ずつとなります(2分の1÷2=4分の1)。

そして、奥様の相続分の分母をお子様と同じく4に合わせると、奥様は4分の2(分子も×2をするので)、お子様2人は4分の1ずつとなります

2 必要な戸籍

必要書類

旦那様の出生から死亡に至るまでの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本
旦那様がお亡くなりになった日以降の奥様の戸籍謄本(①と重複している場合は不要)
旦那様がお亡くなりになった日以降のお子様2人の戸籍謄本(①と重複している場合は不要)

「登記識別情報の通知を希望しません」にチェックを入れるとどうなる!?

登記識別情報通知を希望しませんにチェックを入れるとどうなる?

「登記識別情報不通知」にした場合、何か不都合があるの?

1 そもそも登記識別情報とは

登記識別情報とは、12桁の英数字が羅列されたもので、イメージとしては銀行の暗証番号みたいなものです。

平成16年不動産登記法改正前までは、登記済証(「権利証」と言ったほうがわかりやすいかもしれません)と言われるものが登記義務者(その登記をすることで不利益を受ける人。例えば、売買であれば売主のこと)の登記申請意思の確認のために、この登記済証(権利証)が使用されておりました(なお、この改正前に不動産を取得し、その後、不動産の権利を移転していない場合は現在でも権利証をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。)。

しかし、上記改正により、この改正後に不動産を取得した場合は、登記済証(権利証)は発行されず、それに代わって登記識別情報が通知又は発行されるようになりました。なお、紙で発行してもらった場合は、紙切れ1枚(外観上は、A4より小さい紙に12桁の英数字が目隠しで見えないようになっております。)。

2 登記識別情報は通知するかしないかを選べます

法務省のホームページにも載っている「登記識別情報通知の通知を希望しません」にチェックを入れた場合は、登記識別情報は通知されません(発行されません)。一方、本サイトに載っている申請書のとおり、「送付の方法により登記識別情報の交付を希望する」といった振り合いで登記識別情報の通知を希望すれば、登記識別情報は通知(発行)されます。

3 「登記識別情報の通知を希望しません」にチェックを入れてしまった場合の問題点

法務省のホームページにも載っている「登記識別情報通知の通知を希望しません」に誤ってチェックを入れてしまった場合、何が問題となるのでしょう。

答えとしては、相続した物件を転売するような場合や、相続した物件を担保にしてお金を借りるような場合は、不都合が生じます。

それは、転売の場合(売買による所有権移転登記申請等)や、不動産を担保にしてお金を借りる場合(抵当権設定、根抵当権設定等)、添付書類として「登記識別情報」が必要となります。

しかし、「登記識別情報の通知を希望しません」にチェックを入れてしまうと、登記識別情報は発行されません。それではどうするのかというと、本来必要となる書類がないので、代替的な方法が必要となってきます。

それが、司法書士又は弁護士(資格者代理人)による本人確認情報の提供です。

司法書士や弁護士が登記識別情報通知書を持っていない方と面談をし、運転免許証等で本人確認を行い、どうして登記識別情報通知書をお持ちでないのか事実関係の聴き取りを行い、「本人確認情報」という書類を作成し、これを登記識別情報の代わりとして添付書類として提出します。

この書類は残念ながら無料ではありません。結構費用がかかります。書類作成報酬として相場的には5万~10万ぐらいはかかると思っていただいたほうがよろしいかもしれません(報酬の自由化により事務所によって費用は異なります)。

このように、登記識別情報を不通知にしてしまうと司法書士等に余計な報酬を支払わなければいけないことになります。

なお、本人確認情報の作成以外の代替手段として、「事前通知」という制度もありますが、仲介、銀行融資がからむ場合には、実務上利用はされておりません。

4 登記識別情報不通知のメリットも一応はあります

登記識別情報不通知のメリットも存在します。それは、登記識別情報通知書の管理をしなくて良いことになることです。登記識別情報は、その名の通り情報です。物理的な「登記識別情報通知書」を盗まれないようにするだけでは足りません。それに加え、そこに記載された12桁の英数字の符号を盗み見られないように(メモされないように写真に取られないように)することも必要となります。

裏を返せば、登記識別情報の通知を希望するを選択された場合のデメリットとも言えます。

5 登記識別情報不通知を選択される方はどんな人?

管理が面倒でかつ、自らがお亡くなりになるまで転売もしないかつその不動産を担保にしてお金を借りたりしないというような方は、「登記識別情報を通知しない」という選択肢も無きにしもあらずではないかということになります。

相続登記申請義務化にむけて

相続登記申請義務化の法案成立(施行時期はまだまだ先だと思いますが)が目前に迫っております。

相続登記申請の義務化の法案が成立したら、不動産登記申請を業とすることができる司法書士への依頼が増えることもあるかもしれませんが、それと並行してますます本人申請の需要が増えることも間違いないでしょう。

本サイトは、あくまでも本人申請にこだわっておりますので、今後(どのような司法書士に依頼すべきか等の情報を参考情報として載せることがあるかもしませんが)も余計なお金がかかるやり方(例えば、今後の動きとして考えられるとしたら、司法書士でも弁護士でもないシステム利用料等を徴収する業者への依頼)は推奨することはありません。今後もそのスタンスは変わることはないでしょう。

書類作成に割くことができる時間をお持ちで、一定程度の知識がある方であれば、高いリスクが考えられる本人申請すべき事案等でない限り、自らの力で相続による所有権移転登記申請をすることが可能であると信じております。

今後もより一層、相続登記申請に関する情報の強化に努める所存でございます。

相続関係説明図と法定相続情報一覧図の写しの比較表

相続関係説明図と法定相続情報一覧図の比較

 相続関係説明図法定相続情報一覧図の写し
相続人の住所の記載をして住所証明情報(住民票等)に代えられるか
被相続人の最後の住所が記載され、これが登記記録上の住所と同一であった場合の被相続人の同一性の確認の可否
相続放棄等で相続開始時に相続人でない者の記載の可否
作成人の署名又は記名押印の必要性
数次相続が生じている場合に1つにまとめて記載してよいか
相続放棄、相続欠格、廃除の記載の可否
被相続人の登記記録上の住所の併記の可否
何字削除何字加入等、いわゆる見え消しの方法による訂正の可否
原本還付の可否